「ありがとう」が好きだった。
人の役に立てることが、何よりうれしかった。
幼いころから、そう思いながら育ってきた。「私、役に立てたんだ」そんな時に感じる温かいものが心の中に湧き出る感覚が、生きてるって思える瞬間だった。
だから、進路は自然と決まっていた。
医療従事者になりたい。人の力になりたい。
迷いなく看護師の道を選んだ。
看護学生の頃から、「看護師は大変な仕事だ」と何度も思い知らされた。
死んでしまいたいと思うこともあった。
でも、あきらめなかった。
そして看護師になって、人に頼られ、時に罵られる日々でさえもやりがいと誇りに変わっていった。
2年目で結婚。
家事と仕事の両立は想像以上に大変だったけど夫と協力の日々。
翌年には第一子が、そして第2子が生まれた。
当時は産休・育休なんて<取れる空気>ではなかったけど、「みんなそうだから、仕方ない」と自分を奮い立たせて、家族の協力で乗り切った。
下の子が小学生になり、やっと少し落ち着いた頃ー
3人目を授かった。
夫も、子供たちも、生まれてくる赤ちゃんを心から喜んでくれた。
3年の育児休暇も取れるようになっていた時代だった。
ただ、7年ぶりの妊娠・出産は思ったよりも身体にこたえた。
産後の体力はなかなか戻らず、気づけば毎日のように横になる時間が増えていった。
そして…
そのときから、私の「Re:Start」は、静かに始まっていた。
(つづく)
ーこのあと、私の体に起こったこと、難病を知った日のこと、家族とのこと。少しずつ綴っていけたらと思っています。ー
「読んでくれてありがとう💕」(❁´◡`❁)
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